ジョーとかリュウとか

 ジョーというと何を思いだしますか。
 海燕ですか、明日ですか、アズマですか。
 
 リュウというと何ですか。
 カプコンですか、石森章太郎ですか、それとも…。徳間書店
 
 『リュウ』を買って来ました。
 昭和61年から週刊少年サンデーに連載されていたSF漫画で、全7巻で完結しています。
 作画は『夏子の酒』で知られる尾瀬あきら。原作が、今、知ったのですが『人間交差点 HUMAN SCRAMBLE』などで知られる矢島正雄
 平凡な高校生が荒廃した未来の世界で救世主として活躍するというこの上ない陳腐なストーリーですが、なぜか強烈な印象を残しています。全7巻というのが、人気不足を意味するものなのかどうか分かりませんが、通して改めて読んだところ(4巻だけ入手できませんでした。)、その過不足ない分量と構成に感服いたしました。
 ほんとに、召還戦士ものとしてはちんぷ極まりないのですが、おのおののエピソードが強烈な印象を残しています。
 
 これはリアルタイムで読んでいたものの感想なのかもしれません。
 米ソの対立についての報道が毎日のように繰り返され、世界の終末がリアリティを持って語られていた…そんな時代でしか読めなかった漫画なのかも。
 SFとしては、さほどの新味はないのですが、私が購入した1巻は9版でした。
 人気作だった と、考えてよいのでしょうか。

リュウ 1 (少年サンデーコミックス)

リュウ 1 (少年サンデーコミックス)

 …復刊しないですね。
 
 この手法とテーマはSFでは、使い古されています。ですが、私は『バスタード!』に少なからず影響を与えているのではないかと思っています。