ビブリオバトル

 SFセミナーの企画である「ビブリオバトル」に参加してきました。
 結果は、5人中2位。
 いろいろ飛び道具を用意する方が多い中、唯一 正統派「進化」でバトった・・・と、友達が言ってました。
 
 ここで、試合までの経緯を振り返り、検討してみましょう。
 
 お話を受けたのは、ガンダムAGEの感想を述べている最中でしたから、かなり最近のお話です。
 ぎりぎりだった と、いって良いでしょう。
 しかしながら、興味はありましたので、お話をお受けしました。
 早速、ルールが掲載されているサイトを確認したのですが、動画が1本しか見つからず、ニュアンスというか雰囲気のようなものがつかめませんでした。
 「ルール」を読むと、読みたいと思わせた者が勝ち! とありますので、ここをどう抑えていくかが重要と考えました。
 
 最初に考えたのは・・・『サターン・デッドヒート』なのですが、観客が私をご存知であれば問題ないのですが、実際にはえんじと言えば・・・、と認識される方が少ないであろうことと、本当に好きな本を紹介してビリだったりしたら立ち直れないので、早々に断念しました。
 
 次に考えたのが『SF新世紀レンズマン』です。
 ノベライズは、オリジナルに比べて、1段落ちる と、私は考えているのですが、逆にノベライズと言うだけで見逃されている傑作があるので、そこをつくのは意外性もあって良いように思えました(逆に、原作の方が埋もれてしまっているケースもあります。黒丸尚文体全開の『ダイ・ハード』は、今考えてみるとありえたかも。)。
 著者は、脚本を手がけた吉川惣司氏(監督作品 多数)。
 ちょうどゴールデンウィークに吉川監督作品が上映されたり、トークショウもあると聞いていたので、念頭にあったのです。
 吉川監督作で有名なのは、『ルパン対複製人間』でしょうか。後半、ルパンは脳をスキャニングされ、白痴かもしくは神に近い人間であると示唆されます。こういったところに監督のSF的センスを感じていました。
 アニメ、レンズマンも、興行的には失敗したものの、序盤 キムが飛び立つシーンの動画など伝説的な作画シーンがあったり、川尻監督作品であるなど、マニアココロをくすぐる要素がたくさんあります。
 
 そんなわけで、SFアニメ史的には重要ですし、「思考」という映像では描ききれない部分が、小説では非常にうまく描かれているので、おいしいので、行けるのではないかと考えました。
 もう少しくわえると『かぼちゃワイン』の人がテレビ版をコミカライズしていたり、グリーンランタン(最近、映画になりました。魔法系、科学系とゴールドエイジ、シルバーエイジの問題で15分は説明が要ります)のパクリパクられ問題とかありますので、話題は豊富でした。
 
 ただ。
 それだけに、何を話したいのか、散漫になるのではないかという不安がありました。
 
 
 そこで、クッキングタイマーを用意して、風呂場で試してみました。
 結果。
 5分ですと、微妙な内容でした。
 歴史的意義を語ってしまいがちで、それも話したいという欲求はありますが、聞き手の興味を読書意欲につなげられるかというと、疑問で、戦略としてはありえないのです。
 
 そこで、『戦闘マシーンソロ』『セルフ』などを検討してみました。
 前者は、新潮文庫から出ていたSFで映画にもなったのですが、あまり本作を取り上げている人を見たことがありません。こじまさん、u−ki総統が喜んでるのを見たくらいでしょうか。つまり、B級テイストでありながらも、着眼点がよかったり、ディティールがハイレベルであるのですが、なかなか「良さ」の説明が難しそうです。
 一方の『セルフ』は?
 これは、女性とのつきあいが途切れることがなかったため、オナニーをしたことがなかったイケメンが、オナニーを覚えようと四苦八苦するコメディ。漫画です。全4巻。オナニーの師匠を見つけた主人公は修行に励むのですが、3巻目で、その師匠から「オナニーに向いていない」と破門を言い渡されるのです。実は、主人公は一般男性の10倍の精子を持つミュータントで、それを本能的に察知した女性にもてていた という事実が明らかになるのです。
 これも、面白いと思ったのです。
 ですが、SF的展開をあかしてしまうと、「読みたい」という意欲につなげられません。 
 
 かといって、この部分を封印しますと、進化テーマから離れてしまいます。
 ビブリオバトル向きではないのです。
 ここで、行き詰まってしまったのですが・・・