錯覚の科学
- 作者: クリストファー・チャブリス,ダニエル・シモンズ,成毛真,木村博江
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/02/04
- メディア: 単行本
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まずはこちらをご覧になって、白Tシャツのチームが何回パスをしたかを数えてください。
14? 15?
本書は、我々がいかに物事を曖昧に捕らえているか、勘違いしやすいかということを豊富な事例に基づいて解き明かしていきます。
相関関係などについても詳しく、扱っています。
あのmixiの記事などに見られるような恋愛記事ですな。あるいは、デマがどうして消えないのか。ポップコーンとコーラサブリミナルの嘘、モーツアルトで成績が上がるという嘘などについても検証しています。
興味深いのは、後半に出てくるゲームによる能力向上効果についての研究。
脳トレ(アメリカの本なのでゲーム脳についての記述はありません)はどんな効果があるのか。テトリスは? メタル・オブ・オナーは? これらについて詳しく書いてある本ははじめて読みました。なかなか興味深いものがあります。
本書での結論は、数独をやれば数独のエキスパートになれるし、クロスワードをやればクロスワードのエキスパートになれるけど、物忘れをしなくなったりするわけではない というものですが、このゲーム部分についてはちょっと違う結論というか、疑問を投げかけています。
こういった話題については、香山リカ氏が「この手の研究は少ない」もしくは「研究中である」みたいな説明をよくしていましたが、もうぼちぼちどういう研究があって、どういう結論が出たのか、それをどう解釈すべきかについての本を出してもいいんじゃないでしょうか。