謎の物語

謎物語―あるいは物語の謎 (角川文庫)

謎物語―あるいは物語の謎 (角川文庫)

 『謎物語』・・・ではなく、
謎の物語 (ちくま文庫)

謎の物語 (ちくま文庫)

 『謎の物語』が、出ました。
 文庫版になっただけでしょ? と、通ぶったことを申しましたら、もう、てきめんに罰が当たりました。新書版とは全然違う本になってたのです。
謎の物語 (ちくまプリマーブックス)

謎の物語 (ちくまプリマーブックス)

 
 新版は、
恐ろしき、悲惨きわまる中世のロマンス(マーク・トウェイン
女か虎か(F.R.ストックトン
三日月刀の督励官(F.R.ストックトン
女と虎と(J・モフィット)
謎のカード(C.モフェット)
続・謎のカード(C.モフェット)
穴のあいた記憶(B.ペロウン)
ヒギンボタム氏の災難(N.ホーソーン
茶わんのなか(小泉八雲
指貫きゲーム(O・ヘンリー)
ジョコンダの微笑(A・ハックスリー)
野原(ロード・ダンセイニ
宵やみ(サキ)
園丁(ラドヤード・キプリング
七階(ディノ・ブッツァティーティ)



旧版の新書は
女か虎か(F.R.ストックトン
謎のカード(C.モフェット)
穴のあいた記憶(B.ペロウン)
なにかが起こった(D.ブッツァーティ
茶わんのなか(小泉八雲
ヒギンボタム氏の災難(N.ホーソーン
新月木々高太郎
青頭巾(上田秋成
なぞ(W.デ・ラ・メア
チョコレット稲垣足穂
おもちゃ(H.ジェイコブズ)
F・R・ストックトン「女か虎か」
C・モフェット「謎のカード」
B・ペロウン「穴のあいた記憶」
D・ブッツァーティ「なにかが起こった」
小泉八雲「茶わんのなか」
N・ホーソーン「ヒギンボタム氏の災難」
木々高太郎新月
上田秋成「青頭巾」
W・デ・ラ・メア「なぞ」
稲垣足穂「チョコレット
H・ジェイコブズ「おもちゃ」


 かなり違います。
 日本人作家はすべて(小泉八雲除く)排除して、リドルストーリーを象徴する「女か虎か」とそのバリエーションの考察が出来るような構成になってます。「謎のカード」も続編が入ってますね。
 「謎の物語」というのは、ここではリドルストーリーのことを指しています。
 オチの解釈が読者にゆだねられるような話のことです。この概念を自分が知ったのは北村薫『謎のギャラリー』のシリーズでのこと。ここでも「女か虎か」があげられていました。
 
 で、この本なのですが、全部ちゃんと読んだわけでもない私がいうのもあれですが、旧版から読んだ方がいいと思います。
 
 それにしても、これだけ新版と旧版が違うなら、きち

冷たい方程式 (ハヤカワ文庫SF)

冷たい方程式 (ハヤカワ文庫SF)

んと告知してくれればいいのに。ああ、旧版は絶版だから、それをいうと、問い合わせが殺到して面倒なのかな?
 
 同じようなことは『冷たい方程式』にも言えますね。
 そういえば、「冷たい方程式」にも「女か虎か」みたいなインパクトがあったようで、いくつかバリエーションがあると聞きます。
 わたしは、あさりよしとおのバリエーションを読んだような記憶があります。
 最初聞いたとき、それなら、乗員全員の左腕を切り落とすとかしたらいいのでは と思ったのですが、どうも、世の中には、そのような話もあるようなのです・・・。