『都市と都市』
- 作者: チャイナ・ミエヴィル,日暮 雅通
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/12/20
- メディア: 文庫
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互いの都市の住人は、互いの存在を無視することを義務づけられ、そのように育てられる。
そこで、殺人事件が起きて、刑事がいろいろ調べるという、ミステリです。
『ユダヤ警官同盟』と同じで、設定はSF的ですが、語り口と手法は伝統的なジャンルミステリのそれです。
ミステリなので、登場人物一覧を付けて欲しい。
早川ミステリから出てれば、付いたのに。
このお話の主人公は都市で、その部分の描写をそれはもう、堪能できます。
一方で、オーソドックスすぎるミステリなので、中盤はちゃんとだれます。
読後感がいいのですが、なにかこう、自分の好みからするともうひとつ突き抜けるものがありません。構成は隙のないもので、足しても引いても駄目なような気がします。
ほかの人と、いろいろこの本については話してみたい。読書会が関西ではあったようですけど・・・。
不満の原因のひとつは、多分、賞をとりすぎてるトコにもあると思います。