ジーン・ウルフ4 ネタバレもあります

 
 完結編であります。
 
 ちょっと昨日までの部分を補足しておきます。
 
 5分程度の時間を頂いて読み終え・・・てなくても、時間が来てしまうのですが。
 そのあと、昨日のリンク先にあるようなスライドが表示され、若島先生から質問が出されました。
「彼が読んでいた本はなんだったのか」
 
 会場が一瞬、しん・・・と、静まりかえりました。
 私など、先生の視線がこっちに来たような気がして「当てられませんように」と、とっさに目を伏せたのであります。
 自分の中では、『アーサー王の死』(キートンが投げたのはこの本だったかしら・・・。違うかも)か、『永遠の王』のどちらかだと思ったのですね。特に、後者は映画『X−MEN』の中でマグニートー(中身はガンダルフだ)やエグゼビア教授が手に取ってたり、『ハイペリオン』の中で若返り病の病名として出てきてるくらい有名な本なので、タイムスリップ、アーサー王なので、これ! と思ったのです。あ、『アーサー王宮廷のヤンキー』も世界最初のタイムスリップSFと読んで読めないことはないので、絡んでるのかも とも思いました。
 でも、なんか違和感がある。
 どうしよう・・・と、悩んでると
 
 ようやく、ひとり手を挙げた人がいる。
 静かに、おおっ・・・という驚きが会場全体に広がる。
 海外文学の専門家、牧先生が手を挙げたのです。
 
 では、と先生が牧眞司氏を指す(若島先生は牧氏だと認識してなかったんじゃないかしら。それともご存知だったのかしら)。
 ここからあとは、昨日、書いたとおり。
 牧氏がウルフの構成について、読み解き、それを説明する。それを若島先生が肯定する、が、書名が判らないまま。
 
 ここで、会場に小さく動揺が。
 あの牧氏が判らないんじゃ、誰にも判らないんじゃ・・・。
 やばい、SFセミナー参加者全員落第だ・・・。
 と、思ってると、誰か知らない人が手を挙げました。
 
 淡々と、彼は説明しました。
「読んでる本は『ビブリオメン』です」
「そうですね。私もそうだと思います。なぜ、そう思いましたか」と若島先生。
「最後から2行目に「It was this one.」とあります」
「その通り。彼が読んでいたのは、まさにこのジーン・ウルフの『ビブリオメン』だったということになります。さて、この後、ラスト1行が*******と、続きます。この短編には頻繁に時代、時間を示す語が出てきます。で、先ほど、版の違いを説明しましたが、わたし、この短編は旧版から手を加えられてないのでは と考えています」若島先生の説明は続きます。
 
 ・・・以下、若島先生のウルフ解説が続くのですが、あのバスチアンが体験したようなことを会場で体験しました。
 それは、はじめて『黄色い部屋の秘密』を読んだような驚き。
 映画のポワロが、皆の前で説明をしていくのを体感しているようなものでした。
 
 ですから、これ以降の説明は、推理小説のトリック、謎解きだけを、しかも本編(サー・ゲイブリエル)を見せずにやるようなもので、たいへんよろしくない。
 なので、ここで、終了です。
 
 再三、繰り返しておりますが、文章化の予定が既に立っていると伝え聞いておりますので、皆様はそのまま、席をお立ちくださいませ。
 
 
 
 
 ただ、ひとつ。
 ちょっとパロディを考えつきましたので、後でそれを書くかも知れません。
 でも、それはSFセミナーに参加した人だけ読んで、くすりと笑っていただければ というものです。劣化バージョンなので、そもそもセミナーに参加して高次の次元へシフトしてない方は読まないでください。