i-padの未来

「ブツは用意できたんでしょうね」
「ああ、これだ」
 そういうと男は胸ポケットから小箱を取り出した。
「そちらこそ、padは持ってきたのか?」
「これよ」
 女がアタッシュケースから取り出したのは、第3世代のi-padだった。
「ふふ、これでようやくロックを外して中身が読めるわ」
「苦労したんだぜ、謝礼はたんまりもらわないとな」
 女は小箱を受け取ると、慎重にふうを剥がし、箱を開けた。中に入っていたのは…指と髪の毛。指は成人男性の人差し指を第2間接で切断し、コーティングしたものだった。女はいとおしそうに、それにほほをすり寄せる。
「これよ、これが欲しかったの…」
 
 カカッ!
 突如、ライトが倉庫を照らし出した。
「警察だ! 死体損壊、著作権法違反の容疑でお前たちを逮捕する!!」
 
 
 2100年。
 闇社会では、故人のi-padは、死体とセットで高値で取引されていた…。
 
 
 というようなことになるんじゃないかと。
 ふふ。
 ふふふふふ。
 **さんの遺体が欲しい…。
 うふふふふふ…。