サはサイエンスのサ
- 作者: 鹿野司,とり・みき
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/01/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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そのときは、ちまたを席捲していた「水位が上がるなんてでたらめだよ説」について話を伺ってなるほどと思ったのであります。
ちなみに、その説というのは、「氷が溶けたから水位が上がるなんて貴方…。もともと水は凍って容積が増えてるものだし、別の見方をしても上にちょっと飛び出てる分のかさが増えるだけでしょ。いろいろあるけど、トータルで言うと水位は上がらないの。だいたいグラスいっぱいに入れた水が氷が溶けたからってあふれますか。あと、遠心力も重要」といったもので。
鹿野氏の説明というのは
「温度が上昇すると、体積が増える。地球の表面積の7割を水が占め、それが体積を増やすのだから水位が上がるというのが****(名前忘れましたがアルファベット四文字の調査委員会)の公式見解」
でした。
なるほど。
『オールザット・ウルトラ科学』という前回の本とは違って、今回は割とテーマ別に話がまとまってます。
はやりのips細胞のような最新のものから、政治、経済学、宗教など多種で、例えのうまさ・語り口の柔らかさは抜群。
オススメです。
感銘を受けたのは、文明の貴重さの話。
この前、文明崩壊後のファンタジー世界の話をしましたけども(mixi、ツイッター)、それと今の文明について。
今の文明ほど貴重なものはなくて、これがなくなったらもう、2度と同じような文明が復活してくることは期待できない。
なぜなら。
露天掘りなどのローテクノロジーで採れる鉱物資源は取り尽くしてしまったから。
リセットしてやり直すにしても、そこでひっかかってしまって、産業革命が発生しない。
おお…。
そういえば。
その後の説明はSFファン交流会で聞いたのかな。
だから、リングワールドではもう、文明が発達しようがないの。
おおおおおお…。
掘っていったら、あの外壁にぶち当たるし、鉱物資源はないから科学文明は発達しづらいですな。
絶対、発達しないなんてことはないと思うのです。
どこか抜け道を見いだでしょうけど、これは盲点でしたねえ。
『オール〜』の時は、イラストが多いせいで文章量が少ないと感じちゃったんですが、今回はそういうのもありません。
ただ、ちょっと表紙だけが好みでないのです…。
あと、あの帯の80年代風味は何なのか…。
でもでも!
あらゆる人に、かなりオススメです。
- 作者: 鹿野司
- 出版社/メーカー: ビジネスアスキー
- 発売日: 1990/06
- メディア: 単行本
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