マイマイ新子と千年の魔法

 試写会に行ってきました。
 見ました。
 
 絶句。
 いやもう、完璧な映画です。
 いびつなもの大好き人間の私ですが、これはそうではありません。
 満月のように真円を描いたまっすぐな作品です。
 でも、好き。
 
 これをけなす方法や言葉というのはちょっと、思いつかないし、物理的に、あり得ないのではないかと思えます。
 
 世の傑作には、誰もが認める傑作と一部の人にしか分からない傑作というのがありますけども、これは誰が見ても分かる方の傑作で、だからこれを批判する人というのは出てこないんじゃないでしょうか。
 
 オススメはしません。
 これは、だって、きっと、売れないのです。
 傑作なのに。
 きっと、大人帝国や時かけの上を行くのに、それよりもさらに、誰にも知られないまま消えていく運命にあるのです。
 良かった。
 『ダークナイト・リターンズ』や『ウォッチメン』が容易に手に入るようになってしまって、ココロのよりどころを失ってたのです。
 今後は、これをココロのよりどころに生きていけます。
 どんなことをいわれても、きっと、ココロの中で言い返せます。
「そうはいっても、あなた『マイマイ新子と千年の魔法』見たことないんでしょ?」
 心が折れそうなときでも、これで大丈夫。
 そう、それくらい大丈夫な映画だったのです。