ねこめ〜わく
エレガントな謎解き。
魅力的な謎解きというのは、逆転に次ぐ逆転 であるとか、謎解きによって見えてくる物語が魅力的であるとか、全編にちりばめられたなぞが、一つの謎を解くことですべて解き明かされてしまうとか そういったものでありましょう。
古典 や 名作 と呼ばれるものはこれら3つの要件をすべて満たしているように見えます。
さて。
なかでもエレガントな解き方というのは、一つの謎を解くことですべての謎を、ともすれば世界の謎までも解き明かしてしまうようなものだと思います。
そういうのが、ねこめ〜わくには用意されてるのじゃないかなあ。
さてのさて。
竹本泉の最新短編集『たちこめるバラのかおり』にとても大切なことが書かれています。
竹本泉のシリーズは2本しかないというのです。
ひとつは実世界・社会に魔法が溶け込んでいるというもの。『ちまりまわるつ』とかですね。
あとは、そのほか。
おおう、ふううむ。
そうすると……。
こっちの世界にも魔法はあるんですが、それはふつうの世界に魔法を使う人がいる というパターン。髪の毛静電気のやつですね。
やあ、それにしても珍しいですな、こういうのは。
永井豪世界とか松本レイジ世界とか、なんだかんだいっても結局グインサーガにつながってる(『ぼくらの…』シリーズを含むので、伊集院もそうなってしまう)で全部くくってある、パラレルも含んで、みたいなのか、ノウンスペースと魔法の国が消えていく系の数シリーズを抱えているニーヴンみたいなのとかありますが、2本。ううむ、2本か。
それで、『ねこめ〜わく』であります。