ダンジョンRPG小説

 11/30までに読んで、紹介するとサインがもらえるという企画。
 ぎりぎりで読み終えましたので、紹介。
 

迷宮街クロニクル1 生還まで何マイル? (GA文庫)

迷宮街クロニクル1 生還まで何マイル? (GA文庫)

 元になったといわれるwizardly純情派は、名前しか聞いたことがなく、未読。
 また、wizもアトラス版を10〜20時間程度遊んだのみです。
 
 京都に現れたダンジョンに挑む人々を描いたもので、群雄劇。
 地の文で書かれているところもありますが、SNSとおぼしきとこに書かれた文章であるとか、メールであるとかが八割以上を占めます。
 死亡率14パーセントというダンジョンには、週末だけ挑むサラリーマン冒険家もいれば、毎日挑む職業冒険家もいます。しかし、前述の死亡率から分かるように、仲良くなったと思ったら、数週間後にはその人はいなくなっているのが当たり前 という世界。無邪気な若者がそこにだんだんと慣れていく様が描かれます。
 
 青春もの。
 文章は、非常に丁寧で、シチュエーションがこれほど特異でなければ、そのまま普通小説も今すぐ書けるのではないかと思えるレベル。最近のライトノベルには珍しい みっちり書き込まれた文章になっています。
 漫画『おひっこし』に例えている人がいましたが、なるほど、そう そんな感じです。
 地下で怪物を刻み、人の死に慣れつつも同時にそれを嫌い、帰りにブックオフで漫画を買って帰る と、そういうハードな日常が淡々と描かれていきます。
 
 上中下巻の3部構成ということですが、全体を貫く魅力的な謎というものに思いあたりません。
 なので、あと2冊あるというのには、ちょっと首をひねってしまいます。 
 
 あと、wizとの関係についてですが、自分に分かる範囲では、あまり世界観は持ち込まれていません。魔法使いの存在やダンジョンの様子などは、独自の世界観でもってうまく説明されています。
 なので、wizが好き という人、帯にもある「隣り合わせの灰と青春」というフレーズに強く心を引かれる人は、そっち方面で期待すると肩すかしなので注意されたし。
 
 
 そうそう。
 先週、古本屋を2軒回ったら、2軒とも『砂の王』が105円で売られててびっくりしました。
 後に『アラビアの夜の種族』に取り込まれたウィザードリイ小説です。
アラビアの夜の種族〈1〉 (角川文庫)

アラビアの夜の種族〈1〉 (角川文庫)

 ウィザードリイ小説と言えば、やはりここら辺でしょうか。