ブラッドベリと
- 作者: 若島正
- 出版社/メーカー: 研究社
- 発売日: 2003/07/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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p。144 「グレアム・グリーン 見知らぬ女性」の章。
SFに取りかかる場合は、ABCの順に読むといいといわれた など興味深い話があります。
さて。
人間は誰しも一度はブラッドベリ熱に感染するものであり、それはふつう高校生までと決まっているのだが
と、あります。こないだ読んだ愛・蔵太氏の文と同じようなことが書かれてま…ま…。今、気がつきました。このハンドルネームって、ラヴ・クラフトか。
置いといて。
そこで、ブラッドベリの傑作とされる短編が紹介されてます。
新婚旅行で、湖畔を訪れた夫婦の話。
夫はそこで、かつて湖に沈んだ初恋の少女を幻視し、彼女への愛を再確認する。そして、振り返ると、そこには見知らぬ女がほほえんでいた…。
こんな話。
初恋の美しさといつまでも、オトナになれない男という生物を描いてるとのこと。
若島正氏はここから、グリーンの短編「ブルーフィルム」などを連想します(こういう連想をすることの危険性にも言及。私はよくやります)。
私が、ここで思い出したのは山本弘の短編。
山本弘がクトゥルーのハンドブックか何かに書いた初期短編です。
恋人の様子を不審に思った男が、彼女の身に何が起きたかを探るというホラー。
男は恋人と、ふたりで探索に出かけ、その原因が湖にあることを知り、駆けつけます。そこに怪物が現れ、男はついに真実を知ります。恋人は、怪物に変化してしまい、今の今まで隣にいたのはその怪物が生んだ彼女のコピーに過ぎなかったのです…。
ラストは、傍らで泣いている見知らぬ女性を呆然と眺めている自分 という描写で締められます。
発想の元はこんなところだったのではと、邪推した次第。
なお、クトゥルーの話は記憶に頼って書いてますので、記憶違いがあるかも知れません。