ブラッドベリと

乱視読者の英米短篇講義

乱視読者の英米短篇講義

 引き続き読んでおります。
 p。144 「グレアム・グリーン 見知らぬ女性」の章。
 SFに取りかかる場合は、ABCの順に読むといいといわれた など興味深い話があります。
 さて。
 

 人間は誰しも一度はブラッドベリ熱に感染するものであり、それはふつう高校生までと決まっているのだが

 と、あります。こないだ読んだ愛・蔵太氏の文と同じようなことが書かれてま…ま…。今、気がつきました。このハンドルネームって、ラヴ・クラフトか。
 置いといて。
 そこで、ブラッドベリの傑作とされる短編が紹介されてます。
 新婚旅行で、湖畔を訪れた夫婦の話。
 夫はそこで、かつて湖に沈んだ初恋の少女を幻視し、彼女への愛を再確認する。そして、振り返ると、そこには見知らぬ女がほほえんでいた…。
 こんな話。

 初恋の美しさといつまでも、オトナになれない男という生物を描いてるとのこと。
 
 若島正氏はここから、グリーンの短編「ブルーフィルム」などを連想します(こういう連想をすることの危険性にも言及。私はよくやります)。
 私が、ここで思い出したのは山本弘の短編。
 山本弘クトゥルーのハンドブックか何かに書いた初期短編です。
 恋人の様子を不審に思った男が、彼女の身に何が起きたかを探るというホラー。
 男は恋人と、ふたりで探索に出かけ、その原因が湖にあることを知り、駆けつけます。そこに怪物が現れ、男はついに真実を知ります。恋人は、怪物に変化してしまい、今の今まで隣にいたのはその怪物が生んだ彼女のコピーに過ぎなかったのです…。
 
 ラストは、傍らで泣いている見知らぬ女性を呆然と眺めている自分 という描写で締められます。
 
 発想の元はこんなところだったのではと、邪推した次第。
 なお、クトゥルーの話は記憶に頼って書いてますので、記憶違いがあるかも知れません。