キルドレと喫煙
『スカイ・クロラ』ネタバレしつつ。
http://d.hatena.ne.jp/kaien/20080819/p3
クラークの先見の明に乾杯。
- 作者: アーサー・C.クラーク,Arthur C. Clarke,山高昭
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1997/10
- メディア: 文庫
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作中で、たばこを吸うキルドレについて、日本禁煙学会が質問状を送ったとのこと。
日本禁煙学会(一般社団法人/NPO法人)
なるほど、これは笑えます。
これはとりあえず、置いといて。
キルドレが戦闘機の近くでたばこを吸ったり、プロペラの間をくぐり抜けるシーンがあって、いろいろ批判されてます。
で、こう解釈するしかないんじゃないかな という話。
キルドレの特徴・性質として、映画から推測できることは、「人権がない戦闘用クローンである」「少年期(少女期)の形に固定され成長しない」「クローン同志の癖は受けつがれる」というものです。
また、喫煙、飲酒をしていますが、影響を受けた節がありません。特殊な加工がされた人間以外の生物であると分かります。
「喫煙しない上司は信じない」という台詞があるのですが、みっつ 理由があげられると思います。
1)戦闘ですぐに死んでしまう消耗品であるのに、健康に気をつかいすぎているような人物は信用できない
2)たばこを吸うのは、彼らのオリジナルである「ティーチャー」の癖と推測される。「ティーチャー」の技能や癖が継承されていないキルドレは、不良品もしくは過剰に加工された不安定なキルドレであり、信用できない
3)主人公の前身から、抽出された記憶で ヒロイン=たばこを吸う上司=信頼できる上司 と認識している
戦闘機の近くでたばこを吸うことは、非常に危険な行為ですが、誰もそれをとがめません。
それは「ティーチャー」の癖であることを誰もが理解し、安定性を示すバロメータとしているからでしょう(だから、ある程度は対策もされている)。
プロペラをくぐるのも、身に染みついた縁起担ぎ。
たばこを吸い、酒を飲み、女を抱き、戦闘機のそばでたばこを吸い、プロペラをくぐる。
ティーチャーは多分、技量に優れてはいるが、自殺願望があり、自暴自棄になっている戦闘機乗りなのでしょう。その原因もさまざまに推測されます。
あれは、そういう表現 と思ってみればいいんじゃないかなー、と。
戦闘機の近くでたばこを吸う危険性を監督が知らなかったとは思えないし(士郎正宗『ドミニオン』でも同じようなシーンがあります)、岡部いさくが指摘しなかったとも思えないので・・・・・・
たぶん、あれはマニア向けに仕掛けられた罠です。
私は、戦闘機の近くでたばこを吸っても大丈夫かと思ってました・・・。ごめんなさい。
補足:作中で主人公だけが「ティーチャー」を「父」と呼んでた(気がする)ので、オリジナルに近い型なんだと思われます。