フランケンシュタインの子供

フランケンシュタインの子供 (角川文庫―角川ホラー文庫)

フランケンシュタインの子供 (角川文庫―角川ホラー文庫)

 だいぶ前に購入してほったらかしになっていたもの。
 ぱらぱらっとめっくてみましたら、「愛しのヘレン(いとしのヘレン)」が入ってました。
 
 これはSFの黎明期に書かれた有名なロボットSFです。金字塔というかひとつのパターンを打ち立てた短編小説です。
 
 ある独身男性がメイドロボを入手。
 教育方法に選んだのが、テレビ。スイッチを入れっぱなしにしておいて、出かけて、戻ってみると、チャンネルがいつの間にかメロドラマに切り替わってる。
 メイドロボは主人公に向かって「愛してる」「私を嫌いになったの?」だの繰り返し、甘えてくるようになり、ほとほと困り果てた主人公は友人の勧めに従って廃棄しようとするのです・・・が、かわいいメイドロボを捨てられるわけもなく、ひとりと一体は家庭を築き、末永く幸せに暮らしたのでした・・・。
 主人公の死後、友人が発見したのは自分宛に書かれたロボットの手紙。そこには主人公が自分の妻を人間と思い込むようになっていたことが記されていました。友人もまたロボットを魅力的に感じていたのですが、ロボットはそのことも見透かしており、そのことも手紙には書かれていました・・・。
 
 という話で、私はこれはホラーだと思って読んだのです。
 表層的にはラブコメにしか見えないのですが。
 
 そんなわけで、上記アンソロジーを手にとって、そういう風に読むのがふつうなんだなと、しみじみ思ったのであります。
 
 このアンソロジー角川ホラー文庫の1冊として、発売されていました。
 
 
 
 
 なので。
 
 えんじは、いまだに、メイドロボが怖いのです。
 饅頭の類ではないぞよ。