テッド・チャン

 とにかく若かった。
 あれで、40歳だそうです。
 波紋使いは荒木だけではなかったのです。
 
 正面の席に、かぶりつきで座ってたのが、飛浩隆氏と、遠目で判然としなかったのですが、おそらくは山田正紀氏だった…というのが、SF大会の醍醐味だと思います。あ、『虐殺器官』のひともいらっしゃいましたよ。
 私は、最前列の隅っこに座ってたので、その様子が見えたのですが、そのおかげで同じく隅っこにいたオタク文化の偉い人が「クラリオン・ワークショップとはなにか」と問い、それに某翻訳家が答えていたのが聞こえました。ジーン・ウルフのことも説明すれ。宗教家とトム・クルーズとそれを揶揄したクラークのこともと念じたのですが、残念ながら私のテレパシーは届きませんでした。
 
 ここを読んでる人は、SFだったり、ミステリだったり、友人だったり、模型だったり、アメコミだったり、TRPGだったりすると思うので、説明しますと…
 今、世界一のSF作家はふたりいるのです。
 ひとりは、グレッグ・イーガン
 もうひとりがテッド・チャンなのです。
 ところがテッド・チャンは、綾辻なにがしより寡作なのです。
 マイク・ミニョーラより作品を描かないのです。
 この調子だと、波紋使いだったとしても佐藤"ロボ師"拓より、作品数が少ないのです。
 
 しかも短編しかないのです。
 
 でも、そこがいいな。
 と、思います。
 
 SF大会でのインタビュー、内容は山岸氏の解説とかぶるところが多かったのですが、それでも幸せでした。
 アシモフハインライン、ディックの声を聞くよりも、ずっと、幸せだったと思うのです。