ギャンブルのトリック

 引き続き、松田道弘「あそびの冒険」を読んでます。
 3巻の『ギャンブルのトリック』というのが面白い。
 ミステリの楽しさというのが、ひざを打つ快感である とするなら、この本はミステリ短編集そのものだといえます。
 
 子供のころ読んだ『小学*年生』などの付録で、手品が紹介されていました。
 なるほどと、うなるものもあれば、どう受けをとりにいくのだろう? とか、手品ではないのでは? と首をひねるものもありました。たとえば、米を詰めたビンを一本の箸で釣り上げるとか・・・。
 今考えると、これらはバーベットの一種なのかも。
 映画の酒場のシーンなどでよく見られます。
 およそ出来そうにないことを提案して、賭けに持っていく というゲーム。
 「こいつがビールを1杯飲む間に、おれはウイスキーを5杯飲んで見せるぜ!」みたいなの。
 
 とても大仕掛けなバーベットや、稀代のギャンブラーが仕掛けたもの、作者がわかっていてとても有名になったもの、などもあって、それらがわかりやすく紹介されています。
 
 章の見出しとして
「必勝法のあるゲーム」「ハスラーが行く」「ショウとしてのコン・ゲーム」などがあります。
 
 映画『タクシー・ドライバー』のようにカードが袖から出てくる仕掛けを作ったギャンブラーの話などは、わくわくします。これがあるんなら某映画のあの仕掛けは実在してたのかもしれません。
 
 確率的に有利な賭けなどは、行き過ぎるとミステリの針と糸のトリックのようになってつまらなくなりますが、この本はそこのさじ加減も絶妙です。
 これで、1000円くらいなら買っておくのですが・・・。
 
 5000円くらいします。
 全5巻のそろいだと、6万円近くもするのです。
 なので、興味のある人は図書館で探してみてください。
 
 
 マーキングのテクニックなどは、フフフ・・・、参考になりますなあ。