自転地球儀シリーズ

自転地球儀世界〈3〉異世界からの来訪者 (徳間デュアル文庫)

　2003年9月以降　続きが出てません。
　元々は田中芳樹が始めた異世界召還ファンタジー。
　2巻が出たきりでしたが、その続きを一条氏が任されたのです。
　
　一条氏本は吸血鬼小説を1冊　読んだきりなので、作者の持ち味が出ているかどうかは判断できませんが、田中芳樹っぽくはありません。
　印象に残るようなシーン、言い回し、皮肉な見方はなく、とてもあっさりしています。
　うんちくもちょっとあるんですが、うーん。アーサー王宮廷のヤンキーさんや、大江戸シリーズの主人公　とくに大江戸のそれとたいして変わらず、ほとんど猿真似といっていい内容でした。
　主人公の性格などには、前作からのブレはないのですが、日本人新聞記者（元ですが）にしてはちょっと頭の回転が悪く、この点も感心しません。
　
　
　
　他の作者に続きを書かせるのはいいアイディアのように思いましたが、もし躓いた場合、既刊をなかったことにするのも難しく　より停滞してしまうようです。
　映画、テレビ、ゲームなどで続編を他の人物が手がけるのは良くあることで、悪いことだとは思いませんが、考えてみると小説での成功例（とくに作者が生きている場合）というのは記憶にありません。