老人と宇宙 読了
75歳になった”私”は、軍に志願することにした。
心臓を買い、皮膚を張替えてもあと10年程度で死んでしまう。
だが、老人しか入ることの出来ないこの軍には、それを変えることが出来るテクノロジーがあるようだった……。
『宇宙の戦士』『エンダーのゲーム』に連なる宇宙軍戦争ものです。
カバーイラストで、勘のいいSFファンなら気がつくでしょうが、若い戦闘用の身体に心を押し込められ、宇宙人相手に戦闘するというお話。顔が緑色なのは葉緑素です。
3部構成で分量もちょうど1/3ずつ。
非常にバランスの良いエンタテイメント系のミリタリSFです。といえば、たぶんこの3部の内容も想像がつくと思います。
軽口をたたく、軽快なユーモアでつづられるのは第2部まで。第3部からは趣向もトーンも変わってきます。で、この3部が必要なのはわかりますが、私にはこの3部の中身が受け入れがたい。
だって、あのヒロインが居てはいけないでしょう。
その遺伝子を使う理由がない。
せっかくこれまで構築したSFっぽさをつぶしてしまってる。
戦争の中でのロマンス ということで、これを褒めてる人を見かけたら、きっと私は怒るかすねるかするか、あるいはその両方をするに違いありません。
ちょうど、『墨攻』をみて、アンディ・ラウ、アンディ・ラウ わーいわーい と能天気にはしゃぐ女性を見たときのように。
むむ。
それで思い出した。
『涼宮ハルヒの憂鬱』ファンにだって言いたいことはあるのだ。
あれは、学園ものとして落とすのか、SFものとして落とすのかがキモなんだから、SFだって知ってから読んではダメだし、アニメから入るのもダメなんだぞ。