SF研究会

 私はSF研究会やSF同好会なるものに所属したことがありません。
 私が一匹狼だから、であればかっこいいのですが……なぜといって、ひとつにはとても怖そうだから近寄れなかったのです。
 
 私のSF研のイメージというと……
 
「きみはどんなSFが好きなんだい」
「そうですねえ、ディックなんか結構 良かったですね」
「ディック?」
「ディックといったか」
「何を読んだんだ」
「いや、『アンドロイドは電気…』とか?」
「それだけか」
「サンリオはちゃんと集めたのか?」
「1年の分際でディックなんて生意気だな」
「そうだ。お前くらいの人間がディックと呼んでいいと思ってるのか? ちゃんとフィリップ・K・ディックというんだ」
「ディックといっていいのは、駄作も含めて8割がた読んでからだ」

 みたいなことが行われてると思ったからです(この文章、出典あります。うろ覚えですが)。
 
 それで、
  
 「ガンダムが好きなんです」
 
などと言おうものなら、ぎろりんちょ と睨まれて、厳かに かつ はっきりと
 
 「あれはSFではない」
 
と宣言されたりするのですよ。
 
 最初のGWなんかはSFセミナー前にきっと、合宿があるんですね。それで
 
「よく来た。お前らのようなケツの穴を一人前のケツの穴に仕上げるのがおれの仕事だ。わかったかあ」
「サー、イエッサー」
「お前らはケツの穴がどんなものか分かってるのか? おい、そこの」
「はっ!」
「ANALMANの作者は誰だ? 言ってみろ」
「分かりません!」
「きさま、それでもSFファンかあ!」
 
 みたいな。
 
「いいか。SFの敵はいたるところにひそんでいる。見つけたら容赦するな。やらなければこちらがやられる」
「はっ! わかりました、教官殿!」
「やつらはずるがしこい。中にはSFのふりをして近づいてくるやつもいる。さいわい条約は解除されたが、おかげで民間人は腰抜けばかりになった。だが、お前らは違う。知ってるか、防衛軍が勝利した例はない。こちらから攻撃しなければ敵は調子に乗って攻めてくる。だから、こちらから攻撃しなければならん。
 『パラサイト・イヴ』事件を知ってるだろう? 大衆は間抜けな豚だ。やつらは騙される。敵のプロパガンダに騙されるのだ。我々はやつらを救ってやらねばならん。
 さて、今一度聞こう
 ”SF氷河期はあったか?”」
「ありませんっ!」
「”『パラサイト・イヴ』はSFか?”」
「あれはSFではありません!」
「”サイファイ(Sci−Fi)とはなんだ”」
サイファイは糞であります!」
「聞こえんッ! ”『パラサイト・イヴ』はSFか?”あっ!」
「あれはSFではありませんッ!!」
「よし、解散!」
 
 とか。
 ちなみに私がSF研を任されたならば、慣習を破り、まず、ガンダムから入ります。
 Gガンダムからです。
 ただし、SEEDとか敵性用語使うやつは射殺します。