アナンシの血脈
- 作者: ニールゲイマン,Neil Gaiman,金原瑞人
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/12
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- 作者: Neil Gaiman
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日本ではいまいち知名度が低い、けれどもアメリカでは人気・実力ともナンバー1の押しも押されぬ大作家 ニール・ゲイマン。その最新作が『アナンシの血脈』。
上下巻 のファンタジー小説です。
見た目も中身もいまいちさえない一人の青年 ファット・チャーリーが主人公。
結婚を目前に控えているのに、いまだに相手はキスしかさせてくれない。
もんもんとしているある日、父の訃報が飛び込む。そして、葬儀でチャーリーは驚くべき事実を知らされる。
チャーリーをからかってばかりだった父は、実は本物の神だったという。それにしては自分は平凡な男だと疑念を抱くチャーリーだが、どうやら自分には兄弟がいて、奇跡の力は彼が持って行ってしまったらしい。
兄弟との連絡法を知ったチャーリーは、軽い気持ちで連絡を取ったのだが…。
ほら話タイプの小説で、従来のゲイマンの小説とは趣がだいぶ異なっています。
ユーモア主体なのです。
皮肉や教訓は匂わせる程度で、亡き父や兄弟に振り回されるチャーリーのどたばたを楽しむ本。上下巻の割には軽くさらりと読めます。ちょっと値段が高いのが難。
大傑作! と興奮するような本ではないのですが、肩の力を抜いて、さらりとありそうでなさそうなファンタジーを、現実とまぜこぜにして見せるのが見事。これ見よがしではないところが良い感じ。今年のファンタジー小説のベスト5入りは確実なとこだと思います。
いろいろ表紙を並べてみましたが、いまいち作品の魅力を伝えていない…というか、やる気のない日本版は最悪(悪い意味で超訳本みたい)。
海外版は2種ありますが、上の方がより本作のイメージに近い感じ。
下のほうは、内容につながりがある前作『アメリカの神々』(邦題未定)を踏襲しててこれはこれで。