ありがちな会話

「私たちは大学時代の彼の友達なんです」
「あ、こっちからこっちはみな、高校時代の友達です」
「彼の高校時代はどんなでした?」
「いや、それがきれいな女性と見るとすぐに口説きにかかる・・・・」
「あ、高校時代からそうでした? もう、大学入ってからもずっとそうなんですよ」
 なんてな会話で彼の悪事が明かされることはなく。
 
「よくいっしょにゲームをやったりしたんですよ」
「あ、ぼくらはゲームのサークルで一緒だったんです。ディプロ(ディプロマシー)とか」
「ああ、ああ。わたしらもそうです」
「高校時代から? よくサークルが崩壊しませんでしたねえ」
「で、彼は交渉がうまくてねえ」
「そうそう、真っ先に裏切るんだけど『だって、おれの立場だとそうするしかないでしょう』」
「そ、そうなんですよ! 彼、必ず、そういいますよね! ひどい奴です」
「で、こっちもホントは怒らなきゃいけないのに」
「説得されちゃうんですよね」
「ひどいですよね」
「ほんとにひどいやつでした」
 だって、イギリスをいきなりドイツとフランスで(以下略)。