ベイリー

 ベイリー死去。
 日本でも人気の高い、奇想で知られるイギリスのSF作家。
 最近では、グレンラガンの”ラゼンガン”の元ネタである『禅銃(ゼン・ガン)』の作者といえば、通じるかも。
 『涼宮ハルヒの憂鬱』では、主人公のキョンが『カエアンの聖衣』に言及してます。同じ作者の『学校を出よう!』シリーズは、古典SFのリメイクだというのが、わたしの主張ですが4巻か5巻が『時間衝突』のアレンジであったように記憶してますがわたし以外にそんなことを言ってる人は一人もいないので、話半分に。

カエアンの聖衣 (ハヤカワ文庫 SF 512)

カエアンの聖衣 (ハヤカワ文庫 SF 512)

 『天の光はすべて星』の解説で、グレンラガンの人がベイリー復刊求むと書いてましたが、たぶん、されるのでしょう。なんだか猿の手で願いを叶えられたかのよう。
 

売れてないアメコミはアメコミ 売れてるアメコミはアメコミじゃない

http://mainichi.jp/enta/mantan/news/20081016mog00m200033000c.html

 「ダークナイト」や「アイアンマン」など、アメリカンコミックス(アメコミ)原作の映画が、国内で不振だ。世界規模ではヒットしている両作も、日本市場ではヒットの基準とされる興行収入(興収)20億円に届いておらず、関係者を落胆させている。洋画全体の不振を打開する作品と期待されていた2作の失敗の原因はどこにあったのか。【渡辺圭】

 

洋画不振の中、興行収入20億円超えを果たしたアンジェリーナ・ジョリーさん主演の「ウォンテッド」

 
 ひどいよ。
 売れてるからって、『ウォンテッド』はアメコミじゃないっていうのか!
 ばりばりのアメコミ原作だぜ(ただし、だいぶアレンジされてます)。
 

補足

 こっそり改訂されています。
 一言くらいコメントを残して欲しいです。なんだか、ずるいぞ。
 
 こちらが古い方。

主人公は富豪でスーパーヒーローという、いわば勝ち組。一方『ウォンテッド』の主人公はさえないサラリーマンで、ある日突然、アンジェリーナ・ジョリー演じる殺し屋の一族だと分かる。

 こちらが今の文章。

主人公は富豪でスーパーヒーローという、いわば勝ち組。一方、同じアメコミ原作でも『ウォンテッド』の主人公はさえないサラリーマンで、ある日突然、アンジェリーナ・ジョリー演じる殺し屋の一族だと分かる。

 ほかにも何カ所か文章が変えられているように思いますが、検証できませんでした。
 
 格差社会云々の話が、出ていますが、これは町山氏のコメントから分かりやすく、都合のいいところだけ取り出したように思えます。

アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)

アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)

 最新の著作で、アメリカの格差を何度も何度も採り上げている町山氏がこんな主張をするとは思えません。
 ともかく、この渡辺圭という人はいかがわしすぎる というのが、わたしの認識。
 
 もうひとつ。

邦画全体では10本以上が“20億円超え”している。対して洋画で20億円を超えたのは「ライラの冒険」「ナルニア国物語第2章」「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」「ウォンテッド」などの7本だけでアメコミ原作は「ウォンテッド」のみだ。

 洋画は続編か、すでに続編制作が決まっているモノしか20億円越えをしてない。唯一の例外が、『ウォンテッド』というアメコミ映画で、これはたいへんな健闘といえるでしょう。つまり、マーケティングの力ではなく、作品そのものの知名度でしか、売れていない。
 邦画に比べ、洋画のスタッフが劣るのか、テレビとうまくタッグを組める邦画が強くなりすぎたのか。
 わたしとしては、洋画の担当者が無能だといいたいところ。その証拠に、有名俳優を声優に起用するなどのいいかげんで、安直な手法ばかりとって、どんどん洋画を駄目にしてる! と言いたい…のですが、それにしては『ウォンテッド』の売上が良かったのです。この説には無理があるのでしょうか。
 
 これが、良い手だとしたら、ファンとしては悲しい。