ゴーストトリック

ゴースト トリック

ゴースト トリック

 これのためにDSを買ったくらいです。楽しみにしてた、『逆転裁判』制作者タクミシュウの最新作にして、新シリーズ。
 
 死んで、記憶をなくしてしまった幽霊。
 その幽霊が、自分であり、主人公なのです。
 ものに乗り移っていろいろ出来る(人間は無理です)のと、4分間だけ過去へ戻って何度でもやり直しできるのと。主にこの2つの能力で、死んでしまった人を助けたりするゲームです。
 いろいろ伏線はあるようです。序盤も序盤ですが、大きな話につながっていくミステリ小説の快感が全体のシナリオに組み込まれていることが感じ取れます。
 
 本編のゲームの方は、死に至る経過を観察した後、如何にそれを崩すかというアクションパズルで、ピタゴラスイッチを思い出させます。
 横から見た2Dアクションゲーム風。巧氏が好きだという『アウターワールド』みたいな。死亡パターンが多いのもいっしょ。
 キャラクタの動きは必見。
 ドット絵マニアはよだれがとまらないかも。
 
 そんなこんなで、私好みの要素はてんこ盛りなのですが、これがあまり楽しくないのです。
 
 なんで。
 待ちの場面が多いからです。
 
 これがこう来てああなって、今だ! みたいに、タイミングを見計らってものを動かすシチュエーションが結構あるのです。でも、それは失敗してやり直しになったら、またその瞬間まで待つだけということになるのです。これが辛い。
 1分も待たないのですが、私みたいにゲームが下手な人だと当然、失敗も多いから、たかだか30秒の待機であっても、何度も何度もその瞬間を待つことになっちゃう。さすがに飽きちゃいますよね。
 待つだけのシーンは早送りできるかというと、それもないです。
 
 覚え系のアクションでは何度も何度も繰り返したり、タイミング待ちということはよくあるんですが、そっちはさっきより多く敵を倒せたとか、別ルートでクリアできたりとか、点が増えたりとか、繰り返しの中にも違いがあって、そこに楽しみを見いだせるッス。
 でも、『ゴーストトリック』はそうはいかないのです。
 ただ、待つだけ。
 
 ぬう。
 
 お話は面白いし、すっとぼけた感じもいつもの巧氏の調子が十分に出てて、いいのですが、つらいなあ…。
 この待ちのせいでつまらないのだとすると、これはもうシステム的なものなので、ここから盛り返したりすることはないような気がします。
 だからもう、やめてしまうのが、きっと、自分にとってはいいはずなのですが、諦めきれないです。うう…。