読了 ドルイドさん

やってきたよ、ドルイドさん! (MF文庫J)

やってきたよ、ドルイドさん! (MF文庫J)

やってきたよ、ドルイドさん! 2 (MF文庫J し 4-2)

やってきたよ、ドルイドさん! 2 (MF文庫J し 4-2)

 ううーむ。
 SF・ファンタジーを多分、私以上(←重要よ?)に読み込んだマニアの人が金原ゼミで修行を積んで、書いた 非常に現代的なライトノベルでした。
 
 私には、これ一作での力量判別が難しい。
 
 
 さて。
 今日は偉そうなモードで。
 
 青背とか、創元が本棚にずらずらと並んでいる上、ちゃんとGガンダムとかも抑えてるといういまどきな、でも ゆとりではない若者が書いたライトノベルでありました。
 古典を読み込んでる系の作家さん。
 でも、たぐり寄せるように『うる星やつら』からのいろいろ派生とかも抑えてる。
 んで、それを前面に出しております。
 
 なので、手触りとか肌触りが、ハルヒとか、クビキリシリーズに近いです。
 構成は、連続する短編形式で出来ているんですが、ニュアンスとしては、うーむ。ふもっふ が一番近い。地方の中学校にやってきたのが常識に乏しいミリタリーマニアに見える傭兵 ではなくて、とびっきりの美少女ドルイド である、とか 相手方が同性なので百合風味がほわほわと浮かび上がってくるところが独特であります。いや、いまどきであります。
 
 それで、ちょっと、底が見えません。
 
 ヒットする要素盛りだくさん。
 水準以上。
 タイムリー。
 
 「早すぎず」「続編がスムーズに出版され」「読みやすい文章」で構成されているという内容で、秋山キラーというか、アンチ秋山というか、カウンター秋山というか そういう指向になってます。
 
 ただそのせいで、逆に、「一人1ジャンル」にはなってません。
 伝奇小説というよりは、むしろ「荒山徹」というジャンルだ。あるいはそれを呼び変えて「朝鮮柳生」とすべきだ(でも、一人しか書き手がいない) とは、なってないように見えるのであります。
 
 
 
 ものすごく良くできた深夜アニメのシナリオみたいな内容で、楽しく読める小説ですが、それだけにいろいろ考えてしまったことです。
 
 
 補足。
 ハルヒ、クビキリシリーズを引き合いに出しましたが、ああいうふうに傾いてません。王道に見えるタイプです。