田中芳樹

ラインの虜囚 (ミステリーランド)

ラインの虜囚 (ミステリーランド)

 鶴田氏のイラストが映える冒険物語。
 
 『アップフェルラント物語』のあとがきで、同書の続編の構想がちょこっと書かれてます。主人公がルパンとニアミスしたり、みたいな内容だったと記憶してます。虚実問わず、有名人を使ったヨーロッパの大冒険物語を書きたいといいたかったのでしょう。時代はもちろん・・・。
 
 ということで、田中芳樹が、その欲望のままに、たいそう楽しそうに書いてる様子が思い浮かぶのが『ラインの虜囚』。そして、それが本書の売りです。
 いつも通りの田中節ですが、いろいろなところで、かつての少年少女向け冒険譚(翻訳版)を意識した表現や話運びがみられて、ほほえましい。
 
 田中芳樹版『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』といった趣もあり。
 
 そういえば、最近読んだある漫画も『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』みたいな話でした。ただし、それに『さらば愛しき鉤爪』を足してます。帯では『ジュラシック・パーク』を混ぜたような とありますが、表現としては適切ではありません。『さらば・・・』の方が、一億倍程度は適切。ですが、知名度の差もそのくらいなのが、悲しいところ。
リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン (Vol.1) (JIVE AMERICAN COMICSシリーズ)

リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン (Vol.1) (JIVE AMERICAN COMICSシリーズ)

さらば、愛しき鉤爪 (ヴィレッジブックス)

さらば、愛しき鉤爪 (ヴィレッジブックス)

ジャバウォッキー(1) (マガジンZKC)

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ジャバウォッキー(2) (マガジンZKC)

ジャバウォッキー(2) (マガジンZKC)

 
 たいそう、おもしろうございましたよ。
 
 週末は台風が来るそうですね。新城カズマ氏の話を聞きたかったのですが、ダメかも。