グッド・オーメンズ

 イギリスのユーモア小説の伝統に連なる傑作ではないかと考えつつ、読んでおります。
 ちょっと藤子キャラを髣髴とさせるような悪魔が主人公。
 長年がんばって、悪事を働いてきたけど、なんだか最近疲れ気味。
 古参の連中は、相変わらず聖職者の堕落ばかり狙ってる。自分は何万人もの携帯を数時間も非通知にするという悪事を働いたのに、まるで評価されなかったことも、ちょっと悲しかった。
 そして。
 いよいよ運命の子が生まれてハルマゲドンが間近に迫ってきた、今日この頃。なじみの天使と「やーまー、確かにハルマゲドンのためにいろいろ準備してきたんだけどさ」とぼやいていたのが
「だけど?」
「なんか、この世界なくしちゃうのもったいなくない?」
「そうだねえ。やめちゃおっか」
「そうしようか?」
 と、なんとなくハルマゲドンを避ける雰囲気に。一方そのころ、運命の子は・・・。
 
 というお話。
 
 わざわざ、おせっかいな注釈(『悪魔の辞典』風味)がついてるところも、モンティ・パイソンの国だな と思わせます。

グッド・オーメンズ〈上〉

グッド・オーメンズ〈上〉

グッド・オーメンズ〈下〉

グッド・オーメンズ〈下〉