黒き剣の年代記みたいな

キマイラの新しい城 (講談社ノベルス)

キマイラの新しい城 (講談社ノベルス)

 コメディだったんですね。

 テーマパークのアトラクション用に持ち込んだ城には亡霊が憑いて来ていた。亡霊は自分がどうやって殺されたか解き明かして欲しいと持ち掛ける。そうでなければ成仏できないと言うのだが・・・。
 
 読み物としては軽い部類で、気軽に手にとってもらってよいと思います。
 出来は、及第点。
 現代のテクノロジーが、中世の人物の視点から語られる というのは、作者が好きな『新しい太陽の書』で用いられている手法ですが、それほどこったものではなく、タイムスリップものの映画などで使われているのとほとんど同じ程度の効果しか上がっていません。ムアコック ネタはどこに使われているのか分かりませんでした。
 ねっちりみっちり描かれたメタ・ミステリかとわくわくして手に取ったんですが、そういう意味ではハズレでした。