SFマガジン

 久々に購入。
 
 若島正氏による有名SFの、原典から見た再分析が面白い。
 邦訳を読み返すだけでは一生かかっても気がつかないことがいろいろ書かれている。今回のお題はハインラインの「輪廻の蛇」。
 
 読者投稿テレポートには金子氏の文章に対するツッコミが掲載されてます。その分析力と情熱に驚いて、誰が書いたのかと見てみると相模原市在住の某氏でした。
 その氏が薦めるブッツァーティ『神を見た犬』はビッスンが好きな人に向いてるそうなので購入決定。
 
 円城 塔のインタビューも読みどころ多し。楽し。
 SFセミナーでもインタビューがあったんですが、前半聞き逃したせいか、初めて聞く話がたくさん。金子氏『カオスが紡ぐ夢の中で』も購入決定。
 執筆者紹介のあとがきまでひねりがある。
 どうもおかしな人みたいです。
 
 大森望のSF観光局はなぜだかMYSCONに詳しいので、ミステリものの人も目を通していいかも。
 
 柏崎氏のSFレビューは相変わらず説明不足だったり、日本語としておかしなところがあって、読書の指針にしにくい。今月号の例で言えば、<キュービック>が病気の名前なのか、団体の名前なのか、地名なのか、機械の名前なのか。誰にとっての「あこがれのアーティスト」なのか。”ジャングルH”というのは場所なのか、機械なのか、世界なのかといったことが書いてないので、何が書いてあるのかさっぱり分からない。
 独自の固有名詞をポンポンあげられても困ります。
 
 円城氏の短編は単行本の一部 抜粋ですが、これだけでも楽しめます。
 意地が悪くて頭のいいSFファンが書いたと推察されるヘンテコ小説で、新城カズマ神林長平とレムが、酔っ払って踊りながら書いたような話。ソウヤーとアシモフが書いたミステリ短編に同じテーマのものがありますし、スタートレックネクストジェネレーションの有名エピソードにもあります。それらを踏まえているんじゃないでしょうか。ああいう数字を出すくらいなので、きっと、ここら辺は押えてるんじゃないかと思えるのです。
 といって、パロディに終っているようなものではなくて、書き方も中身も高レベル。
 面白い作家が出てきたものです。