仮面ライダー響鬼が生まれるまで

「仮面ライダー響鬼」の事情―ドキュメント、ヒーローはどう“設定”されたのか

「仮面ライダー響鬼」の事情―ドキュメント、ヒーローはどう“設定”されたのか

 平成ライダーシリーズの中でもかなり特異な位置にある響鬼
 その設定と1、2話の成立過程を、設定に携わった本人が書き下ろした一種のドキュメント。
 写真、図面はありません。
 
 元々はライダー以外のものにしようという企画だった(竜騎もそういう噂がありましたね。)など、裏事情についても詳しく書かれていますが、途中のプロデューサー降板理由については、明らかにされていません。
 鬼の設定、師と弟子、バイクに乗らないライダーなどの独自の設定がどうして生まれたのか、そこにどういった製作意図が込められていたのか。そういったことが主眼にある本です。
 
 途中、SF方面にシフトしようとするなどの迷走ぶりも詳細に書かれているので、楽しく読んだんですが、読後、印象に残らない本でした。
 また、筆者が控えめに自分のスタンスを明らかにしようとしているんですが、それがかえって目立ってしまい自己弁護・正当化のための本に思えてしまいます。読んでる最中は、そのようには思わなかったので、不思議。