チーム・バチスタの栄光

チーム・バチスタの栄光

チーム・バチスタの栄光

 MYSCONで興味を持ち、読んでみました。
 うまい。
 ある医療チームで立て続けに手術の失敗による死亡が続いた。その原因を暴くため、専門外の医師に調査が依頼されるが・・・。
 
 剛速球、エンタテイメントミステリで、読後の満足感、喪失感とも抜群。専門用語がちりばめられてはいるものの、判りやすく、キャラクタの造形が際立っている。2時間の上質なハリウッド映画を見たような気分。
 これをあのスピードで書ける と知った編集者は狂喜したことでしょう。
 ただ、マニアが喜ぶような類の小説ではなくて、ミステリファンが・・・私の知ってるような、ミステリファンがこれを好むかどうかはいささか疑問。
 どちらかといえば、消費されて消えていくタイプの小説に見えます。
 
 面白いし、うまいとは思いますが、2本目を読んだら後はもう追いかけないようなタイプの作家です。
 
 最初、題名を聞いたときにはスパゲティを思い浮かべ、次にJリーグのチーム名か何かだと思いました。MYSCONに行くまで医療ものだとは思わなかったし、matsuoさんが感想を書くまでミステリだとも思いませんでした。