印象に

 『七時間目の・・・』を読んだ後、図書館を少し注意して回るようになりました。子供向け小説シリーズにいろいろ面白いものが出てるんですね。
 ちょっと前に岩崎書店からSFシリーズが復刊されてましたが、アンソロジーでもいろいろある。この10年以上は目を向けてなかったんで、流れなどは分かりませんが、岩崎のミステリシリーズには泡坂妻夫なんかも入ってました。
 
 それでふと思い出したのが、子供のころのトラウマ本。
 3つあります。
 ひとつは、横山光輝『マーズ』。
 もうひとつは怖さのあまり、いまだにオチまで読んだのかどうか、記憶さえあやふやな楳図かずおの化け猫漫画。手術とか入れ替わりのネタがあったはず。題名も分かりません。
 最後が、小説で『ぼくの犬クロ』。
 調べてみると、三田村 信行という作家の本で、どうもそういうトラウマになりそうな救いのない話ばかり書いてたみたい。
 あっさりオチまで書きますが、こういう話。
 男の子がダンボールに入れられて川を流されてきた犬を拾う。
 ・・・あ、このシーンがまたすごい。
 最初、箱に詰めてあるので、子供たちは犬の生首が流れてきたと勘違いするんです。で、開けてみると中には「この犬は人間に対してとても生意気なので、罰として川に流しました。拾ってはいけません」と書いてある。
 しかし、出してみると大変 利口な犬で役に立つ。
 ところが、だんだん無茶をし始める。街中をパトロールして、牛乳を持っていったり(盗みにしか見えない)、人に噛み付いたりする(他の子を助けるため)。とうとう、最後は保健所送りになるが、主人公はこれを追う。
 地方の小学生がたったひとりで、地図を買い、バスを乗り継ぎ、ようやく保健所にたどりつく。大人相手にうそをつき、手違いで送られたということにする。
 
 でも、すでに犬は処分された後だったのでした。
 おしまい。
 
 他にもこういうトラウマものを書いてたようですが、調べてみると同名の人物が三国志を書いているし、えんじさんがほめてた(ような気がする)『キャベたまたんてい』もこの人らしい。
 どういう人なのか気になります。