鉄人奪還計画

 マガジン系列の雑誌で連載されていた さとうふみや金田一少年シリーズ)版 鉄人28号が完結しました。
 第一部 完 とも読み取れる内容です。
 鉄人からの派生、アレンジとしては長谷川版、ギガンター(アメコミ版 GRの影響あり)、などがありますし、『大鉄人17』も近いのですが…置いといて。
 
 本作は、鉄人28号を最初から、現在(もしくは近未来)を舞台に語りなおす という企画でした。もともと、鉄人28号は正太郎という少年探偵を主人公とした探偵ものの1エピソードにすぎないはずでした。鉄人の人気によりロボットものに方針を転換したので、さとうふみやに少年探偵ものとして語りなおさせるというのは、「アリ」だと思います。
 
 ですが、結果として失敗作でした。
 演出・シナリオともに考えが浅い。
 パッと見にはベテランの描く絵だけに安定していますが…銃を左手で持っていたり…。
 終盤、とっさの機転で大逆転する鉄人ですが、そもそも正太郎がそのスペックと機能を知っていたわけもなく、「まんがだから」で適当に済ませていることがわかります。 あまりに考えが浅い。
 
 伊賀の影丸をリニューアルして出演させていますが、これも全然活躍しません(ファンは葉っぱを使った忍術を期待していたでしょう)。影丸にした積極的 理由が見つかりません。
 
 続編もの・リニューアルは、いまやオリジナルを作るより、よほどデリケートで困難な作業となりました。
 さとうふみやはそれに、果敢に挑み、残念ながら失敗しました。
 願わくば、ストーリーを練り直し、再挑戦していただきたいものです。