太陽レンズの彼方へ

 太陽レンズの彼方へッ!
 『マッカンドルー航宙記』の続編。
 にして、完結編。
 なぜなら、作者がすでに他界しているので。
 
 時は未来。
 太陽系一の大天才、マッカンドルー。次々と発明を繰り返す彼は、しかし極端にお人よしで一般常識に欠ける人物であった・・・・・・。おかげで相棒の女船長は毎度毎度、面倒をかかえ込む羽目に。
 
 いわゆるハードSFで科学考証については、可能な限り厳密に処理されていますが、肩のこらない娯楽小説として読めます。ハードSFって、なんだか・・・という方の入門編におすすめ。
 
 前作でファンになった方は、その後のマッカンドルー式航法がどのように社会を変えて行き、発展していったかを知ることが出来ます。
 
 ちょっとだけ、のつもりで読んだら、とまらなくて最後まで読みきってしまいました。
 このリーダビリティの高さはいいですのう。
 
 シェフィールドでは『ニムロデ狩り』『マイ・ブラザーズ・キーパー』を読んでいたのですが、実はこっちはあまり面白いと思いませんでした。かたや逃げ出した怪物を追う話、かたや双子の兄弟の足跡をたどるスパイもの、と娯楽性を強調したつくりになってます。でも、そういうのでなくて趣味丸出しなこういう短編の方が向いてるような気がします。
 
 それにしても、あんなお母さんがいるとはなあ。